2013.11.09三国在住Y様邸
- 【オヤジの生き様】
三国の大地の広い敷地にゆったりと佇んだ住まいが出来上がりました。
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オヤジの生き様
三国の大地の広い敷地にゆったりと佇んだ住まいが出来上がりました。
池田の家 新築工事物語の始まりは 平成11年11月に福井で開催しました完成内覧会に見学に来られた時から始まりました。お客様のお家を訪ねると、美しい山々に囲まれた山村で、まるで画に描いたような農家造りの佇まいでした。
タガハウスではプレカットは現在の所採用していません、
それには理由があります。
第一の理由は大工さんを見習いから育てていく為に建前までの墨付けと加工技術の習得がとても大事だからです。
第二の理由は大きい断面の部材や長い梁や桁を使用するからです。プレカット工場では加工ができません。
まだまだ沢山の理由がありますが、これからも技術を継承する為にも続けていくつもりです。
建前の2か月前に地鎮祭を厳かに執り行いました、写真は鎮め物埋納の儀式です。
地面に存在する邪鬼に宝物を与えて悪さをしない様にお願いをする為です。
引きつ好き地盤改良を行いました、盛り土と元々の畑土までの深さを改良しました。
地盤改良が終わるとタガハウス仕様では必ず砕石を敷き固めます。
最近建てているほとんどの現場で砕石を敷いていません、
とてもゆゆしき事です、
この上に防湿土間シートを敷き鉄筋を編み、基礎コンクリートを構築していきます。
そしていよいよ建前を迎えます。
最初の2枚目の写真にある様に色々な部材を組み上げていきます。
先にも書きましたが。13。0Mぐらいまでは一本の木でつなぐことはしていません。
最近ではこの様な構造を普通にする建築屋さんはほとんど無くなりました。
興味のある方は見学に来てください。いつでも案内を致します。
つづく
暫くブログ投稿から離れていました。
年が変わって池田にも雪が積もってきました。
しかし例年とはかなり少なく10センチ~20センチの積雪です。
おかげさまで天気の良い日は外部の仕事も出来ます。
現在は2階の床貼り、天井下地、壁下地などを進めています。
それを綺麗にまくり新しい玄関の床板に再利用することに成りました。
ケヤキの玄関框も一緒に再使用します。
数十年の歴史を経た材料です。機械のない時代にご先祖が心を砕き渾身の気力で造り出した材料です。大事に受け継ぎたいと思います。
拭き艶が出ていてきれいな色に成っていますがそのまま使用するか、厚さを揃える為に削り仕上げをして使用するか悩んでいます。
出来上がりをブログにアップしますので楽しみにしていてください。
つづく
6月27日に建前をしました。梅雨の最中でしたが雨に遭わずに7月1日まで屋根仕舞い出来ました。( 神様に感謝、感謝 (^o^)
この住宅の施主に初めてお会いしたのは昨年の5月でした。タガハウスの協力業者の紹介でした。
それから丁度1年が立ちました。
まだ壊すのはもったいない住宅でしたが、家族状況や諸々の条件が変わり建て直す事に成りました。
一年掛けて計画をまとめ5月から工事に入り現在に至りました。
当初より普通の家が希望でした。普通の柱と梁で普通の外観であまり目立たない上品な外観が希望でした。
つづく
今回の工事に巡り合わせたのはタガハウスの協力業者の紹介で巡り会えました。昨年の5月でした。
早速現場調査を開始して半年ぐらいの時間を掛けてプランを纏めて行きました。
今年5月から、解体工事に着手して順調に工事が始まりました。
最近の解体工事は大変厳しいルールで行います。
一般の方が思われているより遙かに丁寧に分別をしています。
現場で分別解体をします。運搬車に混載は出来ません。全て別々のトラックに積まなければ成りません。
そして全ての解体材をリサイクルの資源として専門業者に集積いたします。
埋立に回すのは僅かな土砂、ガラ、陶片ぐらいです。
一昔前の大規模な不法投棄の教訓により大きくルールが変わった結果です。
つづく
日本の神様の世界とギリシャ神話とは似通った所があり一つ一つの所作にもそれぞれに意味があります。
最初の写真に有りますお供え物、降臨して来た神様に召し上がって頂くご馳走です。神様がお座りになって右手にご飯、左に魚、真ん中にお酒
二の膳に副菜の野菜、果物などを綺麗に盛りつけます。このお下がりをお施主様と身内、関係者に分けて頂く事により御利益を給わります。
主が自ら鎌を取り草を刈り、敷地を平常にします、神職が宝物を撒き邪鬼を鎮めます。不浄な物を払い清めます。そうして神様に返って頂きます。
全てイマジネーションの話しですが何の疑問も持たずに永々と営まれてきました。まさに宗教の力です、日本人の心の拠り所だと思います。
私が鍬入れ式をしていますが、起工式をしている事になります。地鎮祭とは本来別の儀式ですが簡略化して一緒にしています。
つづく
元の庭に年代物の金木犀が立っていました。思い出の庭木なので移植して残す事にしました。
地盤改良をした後に砕石ガラを暑く敷き固めその上に防湿フイルムを敷きます、鉄筋を組ベースコンクリートを打設する準備を整えて行きました。
最近の世の中の建物の現場を見ていますとほぼ全ての現場で砕石ガラを敷き固めしていません。せっかく表層改良した固い地盤の上に直接コンクリートを打った方が丈夫だと思っているのでしょう。
実に技術的に浅はかで未熟な考えです。人事とはいえ同じ技術者として情けないやら、腹が立つやらで怒り心頭です。
何も知らない施主が気の毒でなりません、
何千万円もする大事な住宅の予算の中で20万円程の予算を掛けるか掛け無いかで、住宅が10年か20年でだめになるか、100年、200年持つかの違いが出てきます。
私は住宅屋として絶対にガラ敷きの手抜きはしないと心に決めています。ガラ敷きは荷重伝達の平準化の役割を担っていますし。何より断熱効果が有ります。真夏の気温が30度になるとき、地面と直接接しているコンクリート表面は冷たいのです。生ビールのグラス表面の結露と同じ現象が床下のコンクリート表面で起こっています。床下のコンクリート上に水が溜まるぐらい結露水で湿気ています。その上ほとんどの住宅がベニヤで造られています。最悪です。福井県は元々湿度が多い地方です。
すでにガラ敷きをしなくなって15年ぐらい経って来ています、これから凄い勢いで住宅の劣化が出てくるでしょう。
つづく (7月8日)
最近の基礎は総土間ベース基礎です。低盤を構築して防湿コンクリートとし、耐圧デースとします。低面全体で積載荷重を地盤に伝えます。
従って柱の降りてこない所の立ち上がり基礎は無くし床下を開放的にして風通しを良くします。点検もしやすくします。
先ほどの話しに戻りますが、砕石地業を省いた時、条件が重なるとこのコンクリートの上一面に結露水が溜まっています。
新たな施主の比較的新しい住宅の修理依頼で床下に入るとまるで水道水が漏れて溜まったように見える事がたまにあります。
何ともお気の毒で言葉の掛けようが有りません。玄関を入ったとたんにかび臭くて直ぐ解ります。しかしお客様は慣れていて解っていません。
根本的には直しようがありません、対処療法しかできません。
タガハウスは柱の上下のホゾは長く差し込みますそして木のクサビ(栓)をさして抜けない様に組んでいきます。 梁や桁などは全て今立、池田産の杉の木を使用しています。 梁の長さは13mまでは一本で造ります。梁の巾も普通は12㎝(4寸巾)ですがタガハウスは15㎝(5寸巾)にしています。 長くて大きいためにプレカットは出来ません。全て大工さんの手加工で刻んでいます。 今では墨付けをして手加工出来る大工さんはほとんど居なくなってしまいました。そしてとても高齢になってしまいました。 タガハウスでは見習い大工を常時育成しています。一人前になるまで7~8年掛かりますそして卒業していきます。 この住宅にも1人の見習大工が棟梁の元で修行に励んでいます。 何処の建築やさんも全てプレカットで建てています、大工職を育てようなどとは全く思っていません。ましてや左官、タイル、石工、建具、家具職など 育つわけがありません。 建前をしてから2ヶ月も経たずに完成するような住宅が主流になりました。既製品を組立ただけの何の潤いもないビニールとプラスチックの箱でしかない住宅ばかりになりました。
写真は排水ヘッダーです、家じゅうの設備の排水を床下空間の間で一か所に集める集合排水器です。
従来と違って地面の中に埋めませんので何十年か経って故障が起きても管理ができ、修理可能です。
排水パイプの見える化です
このヘッダーを通った後は一本の太いパイプになりますので公共下水マンホールまで埋設します。
このヘッダーは一軒一軒違うのでその都度設計をしてメーカーに制作依頼をします。
外回りのたくさんの排水マンホールが無くなりますのですっきりとして工事費も安くなります。
3尺幅で櫛目のサイジングです 、正面の一部は珪藻土壁で仕上げます。
天井は今立で採れた杉の木の柾目板の目透し貼りです。
屋根はGL鋼板の菱葺きで葺いています。
全体になだらかなむくり屋根になっていて上品な雰囲気に仕上がっています。
正面からは柱が並んでいて軽快な中にも玄関としての趣が出てきました。
土間の仕上げはお施主様の提案のデザインが織り込まれていきます。
とても楽しみです。
つづく
年が明けて新しい気持ちでスタートしています。
現場も足場が取れて内部も随分できてまいりました。
断熱材の充填も終わり、現在は床のフロアー貼り、ドアーの枠取付、などの造作工事をしています。
これから40日ぐらいで造作も終わりクロス貼り、石貼り、などに進んでいきます。
つづく
今年の4月でこの世界に入って45年になり、工務店を開業して40年に成りました。随分と色々な建物と出会ってきました。沢山のお客様に出会ってきました。一軒々が真剣勝負で向き合ってきました。
45年前の建築事情は建材が全盛期で色々な材料が出回って来ていました。
私も何の疑いも持たずに建材を多用していました。安くて、便利で、綺麗で、
何もデザインを考えずに何を使うかを選べばよかった。乾燥木材の流通は無く、
材木屋は製材した品物を早く売るのが商売で、建築屋は狂うのが嫌で建材を使い、施主も建材の見掛けだけの美しさにあこがれていた時代です。
工務店を開業して5年ぐらい経った頃に、100年ぐらい経った古い住宅の改造工事を請け負いました。大変立派で大きな柱と、梁が交叉していました。
2階の(つし)を若夫婦の住まいに改造する工事でした。設計も気に入って頂き、順調に工事も進み引き渡す頃なって来ました。その頃に
私のその後の人生が変わる経験をする事に成りました。
元々大きなお家で大きな部材で出来た内部空間でしたので、改造のデザインも
大きな部材を使用しました。工事も冬期間だったこともあり春先になると目も当てられないくらい隙間が出てきました。
当然施主は怒り心頭でした。100%信用して頂いて気持ちよく工事が進んでいましたが、まさかこの様になるとは思いませんでした。
それまではお座敷に通して頂き打ち合わせも集金も和やかに進んで来ましたが、
最後の集金はお金を下駄箱のカウンターに叩き付けられました。土間に散らばったお金を拾いながら、頭の上の施主の怒りの視線が嫌と言うほど心に刺さりました。今でも昨日のように忘れることが出来ません。
その時悔しくて涙が溢れながら思ったことが私の建築屋としての考え方を変えました。
こんな仕事をしていてはだめだ。
こんな仕事をしていては仕事が貰えなくなってしまう。
良い仕事をしますのでどうかさせて下さいと言って仕事を頂いたのに
逆になってしまった。
こんな仕事に成らないようにするのにはどうしたら良いのだろう
どうしたらお施主様に喜んで貰えるのだろ
沢山のお金を拾いながらそんな自分への悔しさで涙が止まりませんでした。
施主の顔を見ることが出来ませんでした。
(穴があったら入りたい)
そのお客様とは一年ぐらいの手直しの後それきりに成りました。
どうしたら良い仕事が出来るのだろう?
ずっと考えていながら暫くの間悩んでいました。
1年ぐらい経った時にふと思い付きました。
嘘をつかないでおこう
自分に嘘をつかないでおこう
どこから見られても隠す必要のない自分でいよう
それを経営の理念に持とうと決めました。
しかしそれからが大変な人生が待ちかまえていました。
嘘のない建築って何だろう
嘘のない商売って何だろう
嘘のない人生って何だろう
(嘘をつかないでおこう)と言っていることが嘘になってしまう程難しい事でした。
それでももう二度と施主を怒らせてはいけない、裏切っては行けない。
あんな恥ずかしい思いは二度と出来ないと心に誓っていました。
意外と問題は単純なのは解っていました。
若かったので一歩ずつ長い道のりを重い荷物を担ぎながら邁進して行きました。
先ず最初は木材を買って自分で在庫をして乾燥しました。乾くまでは何年か
家具や建具の材料問屋で高い材料を買って使用しました。
建材はビニールやプラスチックで出来た物から極力使用しなくしました。
大工さんには苦労をしました。お金儲けに走っている職人ばかりで、なかなか
立派な職人に巡り会えませんでした。本当に困りました。
自分で見習いから育てるしか無いと思い。毎年見習いを入れて育て始めました。
そうこうしていると立派な大工さんに巡り会えるように成りました。
資金も銀行が徐々に応援してくれるように成りました。
デザインや、その他の足らない事は色々な研究会に所属し勉強したり、
沢山の人との交わりの中で一つずつ補って行きました。
そんな思いの中でどうにか一定の水準の仕事が出来るように成りました。
商売をして10年ぐらいからとても楽しく仕事が出来るようになりました。
最初に書きました(怒らせてしまったお施主様)とは今から10年ぐらい前に偶然出会い仲直りが出来ました。
40年の節目になる今年からは新たらしい事に挑戦が始まりました。
福井県全域からのネットによるリフォームの受注活動が始まりました。
お陰様で初年度から大変好評で目標を大きく上回っています。
乾燥した材料や自然素材、素晴らしい職人と若いスタッフによる意欲的な仕事が進んでいます。
これからのタガハウス
今までは建築を取り巻く環境が大きく変わってもタガハウスは真実により近づいて行こうとして、安直な既製品を建築本体には取り入れて来ませんでした。
その姿勢はこれからも変える事は有りません。
一方でニーズがどんどん変化して来ている事も現実です。又建材や設備機器の中には本物の品物が出てきているのも事実です。
つづく
しばらく投稿することが出来ませんでした。夏場は現場の管理や、来年の仕事の設計などに取り組んで忙しい日々を過ごしていました。
これまでの投稿ではタガハウスの創成期からの思いを書くつづってきましたが、これからは未来に向かっての夢と現在のことを書き連ねてまいります。
現在工事中の建物は木造新築住宅が2件、鯖江と池田で進行中です。増改築工事が永平寺で一件、福井市で一件進んでいます。どの建物も80%以上の割合で県産材を使用しています。
県産材を使用する事により色々な補助金や優遇制度が利用できます。
一件一件色々と条件が変わりますので、全ての建物を同じように仕上げることは出来ませんが、極力自然素材を使用して作っています。
土と土で作ったもの(瓦やタイル)、石と石で作ったもの(ガラス、磁器製品)、木材と木で作ったもの(和紙クロス、セルロースファイバー断熱材)、
金属と金属で作ったもの(釘、ビス、ボルト、金物、アルミサッシュ、)大きく分けてこの4っの自然素材だけで建築本体を造っています。
石油製品に由来する建築材料や内装材料などは全く使用せずに作っています。タガハウスではこれをとても自然に特別の事としてではなく普通にしています。
別の言い方で表現しますと、プラスチックやビニールで出来た物で美しさを表現せずに、自然素材で美しさを表現する為に、日々デザインを追求しています。
つづく